前回に引き続き、今回もAI家庭教師のソースについてです。
「市販の問題集や参考書を入れればいいのでは?」
「ネットにたくさん解説があるから、それを使えば十分では?」
たくさんの方にアドバイス頂きました。
一見、もっともな意見に思えます。
ですが、AI家庭教師としては、この考え方には大きな落とし穴があります。
理由①:正しいけれど「基準」が揃っていない
市販教材やネット情報の多くは、
内容自体は間違っていません。
ただし問題は、
- 表現の仕方
- 用語の定義
- 教える順番
- どこまでを「正解」とするか
これらが、バラバラだということです。
人間の先生ならこれを調整することができると思います。
しかしAIは、
混ざった情報をそのまま平均化して答えます。
結果として、
- 教科書とは微妙に違う言い回し
- 学年をまたいだ説明
- 今は習っていない解法
が、出てくるといったことが起こります。
これはハルシネーションではなく、「基準不在によるズレ」です。
理由②:ネット情報は「誰向けか」が不明確
ネットの記事や解説動画は、
とても分かりやすく書かれているものも多いです。
ですが、ほとんどの場合
- 対象学年
- 学習指導要領との対応
- 評価基準
が明示されていません。
よって、AIは「これは小4向け」「これは中学受験レベル」「これは補足知識」
といった判断ができなくなります。
これは家庭教師としては致命的です。
理由③:「試験での正解」と一致しない
学習のゴールは、「分かった気がする」ではありません。
- 学校のテスト
- 単元テスト
- 定期テスト
で、正解できることです。
市販教材やネット情報は、
理解を深める目的では優秀でも、
- 教科書の表現
- 採点基準
- 模範解答の言い回し
と、微妙にズレることがあります。
人間なら「テストではこう書きましょう」と補足できますが、
AIがそれをやるには、基準となる正解データが必要です。
教科書準拠が「絶対条件」になる理由
だからこそ、
AI家庭教師にとっての情報源は、
「正しいこと」「揃っていること」「基準になっている」ことが重要になります。
教科書は、
- 国が定めた学習指導要領に基づいている
- 学年・単元・到達目標が明確
- テストと直結している
という、教育における唯一の共通基準です。
これ以上ないほど扱いやすく、
AIにとっては、ハルシネーションを抑えやすいソースになると考えています。
誤解してほしくないのは、
市販教材やネット情報が「ダメ」だという話ではありません。
ただし役割が違います。
- 教科書:軸(絶対にブレてはいけない)
- 市販教材・ネット情報:補助・理解促進
この順番を逆にすると、
AI家庭教師は一気に不安定になります。
一度でも「AIが言ってたのにテストで×だった」という体験をすると、
子どもはもうAIを信じなくなります。
だから私は、市販教材やネット情報をそのまま使う選択をしませんでした。
AI家庭教師に必要なのは、賢さより信用。
その土台として、教科書準拠は外せない条件だと考えています。


