サービスを考え始めると、必ずぶつかる問いがあります。
それが 「マーケットインで作るべきか、プロダクトアウトで作るべきか」 というものです。
特にBtoCでサービス展開を考えていると、
「それ、本当にニーズあるの?」
「作り手の自己満足になってない?」
そんな不安が頭をよぎることも多いはずです。
実際、私自身もサービス構想を考える中で、
「これはプロダクトアウトになってしまっているのでは?」と何度も立ち止まりました。
ただ、結論から言うと——
「AI家庭教師」のようなサービスは、プロダクトアウトから始めても問題ない
そう考えるに至りました。
マーケットインとプロダクトアウトとは何か
まずは言葉の整理から。
『マーケットイン』
顧客の声・課題・ニーズを起点にしてサービスを作る考え方です。
「何に困っているか」を聞き、それを解決する形で商品を設計します。
『プロダクトアウト』
作り手側が「これは価値がある」「これはすごい」と思うものを先に作り、市場に提示する考え方です。
一般的には、BtoCはマーケットイン、技術系はプロダクトアウト、と言われているようです。
そして確かに、多くの失敗例は
「独りよがりなプロダクトアウト」 にあります。
なぜAI事業は「プロダクトアウト」でも良いと思えるのか
では、なぜAI領域ではプロダクトアウトが許されるのでしょうか。
理由はとてもシンプルです。
顧客はまだ、AIで何ができるかを知らないから。
本来のマーケットインは
「顧客の悩みを聞いて商品を作る」ことです。
しかし、AIのような新しい技術の場合、
顧客自身が
「そんな解決方法がある」
「そんな使い方ができる」
という発想を持っていません。
有名な例があります。
iPhoneが登場したとき、
人々は「ボタンのない携帯電話」を求めていたわけではありません。
けれど、実物を見た瞬間に
「これが欲しかったんだ」と気づいた。
AIも同じです。
「議事録を自動化したい」というニーズはあっても、
「感情分析をして、商談の成約率を予測したい」
というニーズは、
ツールを見せなければ生まれません。
だからAI事業では、
「まず、自分たちが“これはすごい”と思うものを作る」
「それを世に問い、反応を見る」
このプロダクトアウト的なスタートは、むしろ正解だと思われます。
ただし「マーケットインの視点」は後から必ず必要になる
重要なのはここです。
スタートはプロダクトアウトで構いません。
しかし、売る段階ではマーケットインが必要かと思われます。
私はこれを「後付けマーケットイン」 と呼ぶことにしました。
自分たちが作ったサービスを、
「これは誰の、どんな痛みを解決するものなのか」
という形で、定義し直す作業です。
マーケティング用語で言えば、
PMF(プロダクト・マーケット・フィット) を探す工程です。
悪い例と良い例を比べてみます。
❌ 悪いプロダクトアウト
「このAIツールを作ったから、誰か買ってくれ!」
⭕ 良いプロダクトアウト(後付けマーケットイン)
「このAIツールはAさんには響かなかった。
でも、切り口を変えてBさんに見せたら
『長年の悩みが消えた』と言われた。
よし、Bさん向けのサービスとして売ろう」
つまり、
プロダクト(武器)は変えず、
ターゲット(戦場)と見せ方(戦術)を変える
という考え方です。
「独りよがりプロダクトアウト」になっていないかのチェックリスト
今回考えている自分たちのサービスが独りよがりのプロダクトアウトになっていないか、
下記チェックリストで確認してみます。
確認① 「すごい」ではなく「便利」か?
技術的にすごいことと、お金を払うほど便利かは別物です。
今回、私たちが考えているサービスは技術的にすごい、というよりもお金を払うほど便利だと考えています。
確認② 「Must」か「Nice to have」か?
「あったら面白い」は褒められます。
「ないと困る」ものだけが売れます。
サービス導入後、「ないと困る」状態になり得ると考えています。
この点は継続リピートに繋げるためと考えていますが、現時点では少し弱さがあります。
ここを埋めていくためのアイデアも必要です。
確認③ 導入の面倒くささを超えられるか?
新しいツールはそれだけでストレスです。
そのストレスを上回る価値を示せていますか?
今回考えているサービスは導入の面倒くささがあります。
マニュアルを完備したうえで、遠隔サポートなども視野に入れていく必要があります。
ただし、そのストレスを上回る価値を間違いなく示せると考えています。
まとめ:自信を持って進めます
「AI家庭教師」のようなサービスは、
プロダクトアウトから始めていい。と結論付けました。
自信を持って、前に進んでいこうと思います。
ただし、独りよがりにならず、市場に合わせて定義し直すことを忘れずに。
一歩ずつ前に進んでいきたいと思います。


